新暦・旧暦

新暦・旧暦


 現在、私達が日常使っているカレンダ・手帳・暦の類は太陽暦(グレゴリオ暦)である。
 これは、明治五年に改暦されてから使われている暦法で、欧米をはじめ殆どの国は、この太陽暦を使っている。
明治の改暦以前は、太古の自然暦(農業暦)から始って、中国文化の輸入とともに、
持統天皇六年(六九二年)に天嘉暦が採用され、以後儀鳳暦・大衍暦・五紀暦・宣明暦・貞享暦・宝暦暦・寛政暦・天保暦と続いた。
 この天保暦が、我々が今日「旧暦」と呼んでいる暦法で、天保十五年(弘化元年、一八四四年年)に、
暦法作りの天才と言われた高橋至時の次男、高橋景祐が編さんしたものである。
 これは太陰太陽暦(陰暦とも言う)としては、史上最も精密な暦法だったと言われている。
 暦法には元々三種類がある。
現在使っている太陽暦と、天保暦などの太陰太陽暦、それに純粋の太陰暦である。
 太陽暦は地球が太陽の周りを一公転する時間を一年とするもので、太陰暦は月の運行と満ち欠けを基準にし、
太陰太陽暦は前述の二つの要素をミックスしたものである。
 太陰暦は、太陽の運行とは関係なく、月の満ち欠けだけで暦を組み立ててあるから、太陽暦よりも約十一日位一年が短い。
この太陰暦は別名を「マホメット暦」と呼ばれ、中東のアラビア諸国やアフリカ諸国では、今でもこの暦を使っている国が少なくない。
 これは回数とも関係しているので、簡単には改暦できないようだ。
日本では長い間、太陰太陽暦を用いたが、これは月の運行だけでなく、太陽暦の要素を取り入れている。
 太陽暦は、ローマ教法グレゴリオ十三世が制定した事から「グレゴリオ暦」と呼ばれている。
 この他にヨーロッパには「ユウリス暦」というのがある。
これは「グレゴリオ暦」以前に使われた物で、古代ローマの英雄・ユウリス・カサエル(ジュリアス・シーザー)が定めたものである。
「ユウリス暦」は「エジプト暦」を改良した物と言われているが、一方は月、一方は太陽を基本としているから、大きな違いがある。
「ユウリス暦」をさらに改良した物が「グレゴリオ暦」なので、欧米では前者を旧暦、後者を新暦と呼んでいる。
この点、日本の旧暦と新暦の関係とよく似ている。






 閏(うるう)というのは、俗語では「王様が城を出て他人の門に寄宿する状態」とあるが
“真ならずとも遠からず”で、まさに異常な状態である。
これを暦学に当てはめれば、季節と暦月との差を調節する為、平年よりも余分に設けた暦日・暦月の事。
 地球が太陽を一周するのは三六五日五時間四八分四六秒だから、その端数、(五時間四八分四六秒)を積んで、
太陽暦では四年に一回(オリンピックの年)、二月の日数を二十八日に一日足して二十九日とした訳である。
 従って、太陰太陽暦では、平年が三五四日なので、適当な割合で一年を一三カ月にすることも必要になった。

閏月・・・・・・太陰太陽暦で、一年を一三カ月とする月の事。
閏年・・・・・・閏のある年。(太陽暦・太陰太陽暦共通)
閏日・・・・・・太陽暦における二月二十九日の事。



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